ロルフィングとは?私にロルフィングは必要か?(日本語訳)
先日知り合いのロルファーが紹介していたロルフィングの英語記事があり、
とてもシンプルにロルフィングの要素をまとめていたのが印象的だったので
今回日本語に翻訳してみました。
拙い表現があるかもしれませんが、本文になるべく忠実に翻訳したつもりです。
こうしてみると、翻訳の仕事って本当に根気のいる地道なお仕事ですね。
通訳とはまた違った面を求められますし、実際のセミナー通訳などのためには
確実に役に立つ経験なので、自分で定期的に課題記事を設定して翻訳の練習をしていきたいですね。
ではでは、そこそこ文章量はありますがぜひお読み頂ければと思います。
英語記事の元リンクはこちらです。
What is Rolfing and do I need to be Rolfed?
ロルフィングとはなんですか?
ロルフィングとは筋膜や軟部組織へのマニュピレーション(徒手療法)によってより良い体のアライメントとバランスを作っていくテクニックです。
怪我、悪い姿勢やメカニクス、痛みがあると、体を機能的に動けなくさせてしまう可能性があります。それが続くと、アンバランスが痛みを引き起こしたり悪化させたりしますし、体が自然に動けないことで古い怪我が解決されずに残ってしまうのです。もしくは、痛みのあるような動き方が習慣とならざるを得ません。
ロルフィングはアンバランスを引き起こしたり自由で健全な動きを抑制したりする緊張した筋膜をリリースしていきます。
そうすることで痛みのある関節にスペースを与え、痛みなしで体が自然と動くようになるのです。
スポーツマッサージとはどのように違うのでしょうか?
ロルフィングは長期的なアライメントと、軟部組織へのマニュピレーションを通じて体の機能、動きを向上させていくことに着目しています。深部マッサージを通じてリラックスさせたり、硬くて痛みのある筋肉を狙ったりするようなものではないのです。
1960年代にアイダ・ロルフによって創られたこのテクニックは、理学療法や深部マッサージより包括的な施術で、身体的にも精神的にも恩恵があると言われています。
例えば、理学療法やマッサージは問題のある部分を狙ってマッサージをしたりカイロプラクターは骨を操作したりしますが、ロルフィングは痛みの元がどこにあるか関係なく、体の全体にわたって軟部組織や筋膜にアプローチします。健全なやり方で体が自分自身を支えること、そしてアンバランスや痛みを引き起こすエリアのリリースを手助けしてくれるのです。
筋膜のリリースは体の構造の変化を手助けしてくれます。例えば、背中の筋膜に硬さがあると背骨が適切に働くことを邪魔し、背中の上部や腰への痛みを引き起こす可能性があります。また、臀部や脚の筋膜の硬さが骨盤を適切なライン上から外し、骨盤、腰や仙腸関節への問題を引き起こす可能性も出てきます。
ロルフィングのセッションの間はどういったことが行われているのでしょうか?
伝統的なマッサージと同様に、セッションは下着姿で受け、ブランケットやタオルがかけられてマッサージベッド上で施術が進みます。施術者はしっかりしながらゆっくりとした動きで様々なレベルの圧を掛け、靭帯や関節の可動性に沿って筋膜へアプローチしていきます。
セッションの前と後には、クライアントは立位になりセラピストがアライメントや姿勢を全ての角度から観察します。また歩いてもらうことで歩行動作も評価していきます。
またセッションの前には、痛みやライフスタイル、セッションを通じて達成したいことなどについて質問されます。
ロルフィングは10回のセッション構造に沿って進み、頭頂から爪先まで働きかけます。施術はロルフィングのやり方によって進められ、(問題を解決するために体全体に施術することが重要です)個々人のニーズに合わせてセッション内容は変化します。
包括的な施術
施術は身体的なものだけに着目されるわけではありません。ロルファーはマインドへの働きかけ、身体的な部分と同様に精神的な部分への恩恵、人生の転換、ロルフィングを受けたことによる変化についても語っています。この要素は科学的な研究では推し量ることができないもので、ロルフィングが「ライフスタイル」セラピーやウェルネスセラピーと分類されたりする由縁です。科学的な根拠はありませんが。
「Skepdic dictionary」の中で、以前哲学の教師であったロバート.T. キャロールは、ロルフィングによって多くのクライアントの状態が向上していることを評価している一方で、ロルフィングが有効である決定的な証拠がなく、もしくはどんな要素が最も有効なのかもわかっていない、と語っています。
「何名かのロルファーは『ロルフィングは科学的に実証された体の再構築と動きの教育システムである』と主張している」、とロバートは述べています。彼らは科学的な証拠は存在し、人々はそれぞれ長期的な人生のテンション(張り)のパターンを持っており、そのテンションをリリースして再調整することで『個人の全機能が向上する傾向がある』、と主張しているのです。
「『向上する傾向がある』という表現はヤブ医者がよく使う言い方である」、とも彼は語っています。
彼はロルフィングの恩恵についてロルファーが使う用語についても批評しています。「それが何であれ『感情の柔軟性』と同じように『統合の感覚』は理解できるもので素晴らしい、としているのです。」
推薦文には何と書かれているのでしょうか?
推薦文は一般的に自選で、施術者自身が選んで提供していることが多いです。
しかしながら、ロルフィングは他のセラピーではたどり着けなかった問題を解決することができ、ロルフィングを受けて良くなった人々、特に長期間にわたって問題があったり再発を繰り返したりした方々からの推薦文は、納得させられるものでした。
関節炎(ロルフィングが関節炎にどのように有効だったか、実例のリンクはこちらです)や長い間腰痛を患っていて、過去に理学療法やマッサージ、長期間強度の痛み止めを試してきた方々が症状の軽減を報告しています。
痛みを完全に取り除くわけではないかもしれませんが、クライアントが自ら治癒を進めることができるレベルまで痛みを減らすことができるでしょう。つまりより動くようになってリハビリのエクササイズを始められたり、一定の痛みがかかるウェイトを持ち上げたりできるようになるのです。
ロルフィングを受けに行く人々は一般的な医療セラピーを以前に、中には長年にわたって受けてきていることが多いです。ロルフィングが有効であると判明する前では、痛みが再発するということが分かるだけなのです。
ロルファーは、ロルフィングは様々な医療的な治療よりも長期間のアプローチを取り、変化を促進すると語っています。姿勢やアライメント、呼吸、そういったツールをクライアントに与え、再発することを防いでくれるのです。
ロルフィングは私の手助けになりますか?
私たちは、スポーツマッサージ施術者でリフレクソロジストでもあり、イギリスのケント、ウィスタブルで施術をしているLondon’s Evolve主宰の認定ロルファー、シビル・ダリントンに話を伺い、ロルフィングはどういったものか、どういった人がロルフィングを受けるべきか、そしてどんな恩恵がもたらされるのか、といったことをお聞きしました。
なぜロルフィングを始めたのですか?
私は2004年に受けた講義で感銘を受けてロルフィングを始めました。実際、体とマインドは繋がっており、ロルフィングでは完全でシステマチックな方法で体の筋膜に働きかけることによってとても深く、意味のある変化をもたらすことができるのです。
その以前は何の仕事をしていたのですか?なぜロルフィングがより効果のあるものだと思うのですか?
以前に医療的なスポーツマッサージセラピストとして働いていた時、私は主に「スポットワーク(局所への働きかけ)」をしていました。つまり、クライアントが申し出ている即時的なエリアのみに集中してアプローチし、全体を統合して考えていなかったのです。
何人かのクライアントは来なくなったり、治療を受けてもう受ける必要がなくなった方々もいましたが、ただ短期的にしか役に立たなかったり、同じ問題が再発して後日戻ってきたりしたクライアントも他にいました。これが理由で、局所だけではなく全体を見て働き掛ける必要があると私は感じたのです。
その後の経験は、ロルファーとしてこのことを証明する方へ向かいました。ロルフィングは腰痛を持つクライアントを施術しますが、腰痛だけにアプローチしているわけではありません。
クライアントはより身体的な気づきや可能性を感じるようになるのです。そして、体にとって何が最も心地よいのか、ということも。この素晴らしい感覚はロルフィングのコースが終わった後も長きにわたって進化し続けていくのです。
多くのポジティブな推薦文がある一方で、中にはロルフィングは効果がない、という意見もあります。なぜそのような声があるのか、またそれらに対してどのように答えますか?
彼らはおそらく医療的な(経験則の)モデルとしてロルフィングのことを言っているのかもしれません。多くの補完医療において、研究を用いてその有効性を推し量ることが難しいときがあるのです。
各個人はそれぞれの成り立ちが独特で違っていて、セラピーに対してもそれぞれの反応の仕方があります。しかしながら、腰痛や線維筋痛症に関するロルフィングに特化した研究があり、そのリサーチではロルフィングが有効であるという結果が出ているのです。
そして、なぜロルフィングを受けることになったかにもよります。すぐ治してもらいたい人々にとっては、10シリーズのプロセスとしてのロルフィングは彼らに合わないのかもしれません。
また、クライアントがセッションに参加できるとロルフィングはより効果のあるものになります。ロルフィングはマッサージのような受身のセラピーではなく、クライアントの能動的な介入を必要とするのです。
抱えている問題が何であれ、体がどこにあるのか、またどのようにすればより安定して快適な方法で生活することができるのか、ということを探求や学習を通じて解決したいと思っている人にとって、ロルフィングはより有効なものになるでしょう。
好奇心がある、ということも役に立ちます。ですが、お伝えしているようにロルフィングの概念を全く理解していない人でさえも恩恵を得ることができるのです。
慢性的な痛みを抱えており、終日仕事でデスクワークを強いられている人がいたとしたらロルフィングは手助けになりますか?
はい。ロルフィングでは最初に、体全体や長時間座っていることで痛みを感じやすい骨盤や股関節の周りの組織へのリリースや再調整をしていきます。
そして、より快適な方法で座ったり立ったりすることが意識的にわかるようにサポートしてくれます。このようにして骨盤や腰部に対して同じような緊張のパターンが再発しないようにしてくれるのです。
セッションが終わり、調整されてリリースされた状態は実際どのように役に立つことができるのでしょうか?
ロルフィングを通じて、オフィスワーカーや長時間座って仕事をする方々は職場の状況がよりよくなるように調整したり、より健康的な習慣に順応したりできるようになるかもしれません。
ロルフィングは組織を自由にし、長年固まっていたり閉じてしまったりしている部分に動きを取り戻してくれるのです。
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