フォードからジャガーに

今年も年末に差し掛かり、いよいよ2015年も間もなくという雰囲気になってきました。

ここ最近10シリーズを終えた方々と話していると、とても興味深い共通点が多くあるのを感じます。

 

自分のところに初めてクライアントさんが来たとき、いわゆるカルテみたいなものを作成します。

なぜロルフィングを知ったのか、カラダの悩みや改善したいことは何なのか、

不調や痛みがあるのであればどういったものなのか、といったことを

初回のセッションで20〜30分くらいかけて細かく聞いていきます。

例えば肩こりや腰痛といったものが長年付きまとっていたり、

膝の痛みが取れなかったり、急に骨がパキパキ鳴ったり、といったものです。

Low-Back-Pain

 

 

その状態を認識してから10シリーズを始めていくのですが、

セッションが進むにつれてどんどんカラダが変化していく一方で、

自分の昔のからだ、つまり肩こりや腰痛を生んでしまうクセや

その状態を忘れていってしまうことが非常に興味深いです。

姿勢が悪い、クセがある、といったことを以前は言っていたであろう人も、

そういったことを自然と言わなくなってくることも共通していることだと思います。

おそらく、人間の本能として、不快なもの、つまり痛みや不調というものは

なるべく記憶に留めておきたくない、もしくは感じたくないようにするのでしょう。

しかし、クセや姿勢がある状態にあるとそれが繰り替えされてしまうので、

記憶やからだの中に残ってしまいます。

 

10シリーズの面白いところは、からだの一つ一つのパーツが

一番適切に存在できる場所、位置を取り戻していくことで

そういった嫌なもの、不快なものが少しずつ消えていきながら

からだが変化していくことです。

自動車の免許を取り立ての頃は、サイドミラーを見たりサイドブレーキをかけたり、

ブレーキを踏みながらエンジンをかけたり、と一つ一つの行程をぎこちなくやっていましたが、

車の運転に慣れてくると、当初はどんな手順で考えて動かしていたのか、

全く覚えていないのと一緒です。

快適に運転できるようになってきたので、運転に馴染んでいない頃の

自分の所作を忘れてしまうのですね。

自転車の乗り方をどうやって覚えたのか、

ということも基本的にはあまり覚えていないと思います。

 

それだけ、人のからだというものは忘れやすく、

そして新しいものに適応したり変化しやすいということだと思います。

そして、正しい位置にからだのパーツがあってその状態に馴染んでいくと、

つまり快適な状態が続いていくと不快な状態に戻りたくない、

という本能が働くことで自然と昔のクセを記憶から少しずつ削除していくのでしょう。

もちろん完璧に消えることはないかもしれませんが、

「最初のセッションを受ける前の歩き方や座り方を再現できますか?」

とクライアントさんに聞くと大体が苦笑いして、

「嫌ですよ〜。笑 というか、きっとすごいねじれてたり

変な感じだったと思いますし、どんなのか忘れてしまいました。笑」

といったやり取りが最近多くありました。

 

ロルフィングの本来の目的の一つに、「楽な動かし方を定着させる」というものがあるのですが、

これに関して10シリーズは永久的に永続するでしょう、ということを

創始者のアイダロルフ博士は語っています。

彼女の引用を借りると、

 

Rolfing is permanent.  As one student put it, after you’re Rolfed you’re like a Jaguar. 

No matter how long you drive a Jaguar, it’s not going to turn into a Ford. 

That’s a very good emotional answer.  It’s beautiful because it appeals to all levels.

Ida P. Rolf, Ph.D.”

 

「ロルフィングは永久的です。ある生徒が言ったのですが、

ロルフィングを受けた後、あなたはジャガーのようになっているでしょう。

どれだけ長く運転したとしても、ジャガーがフォードに戻ることはありません。

これはとても感動的な答えですね。これはすべてのレベルの人に適う、美しい答えだと思います。

アイダ・ロルフ博士」

 

ロルフィングを受けると、大衆車のフォードから、外車のジャガー、という高級車に

変化していく、という引用は非常に的を得ているな、と思いました。

また、これは自分の先生、Ray McCallが言っていたのですが、

 

「ロルフィングは、小川の中に手を入れて川底にある石の配置を変えて流れを変えること。

小川を手から出したとしても、その流れは以前とは違ったものになっている。」

 

という説明はとてもシンプルでわかりやすいなぁと思い出しながら改めて感じています。

ロルフィングという代替医療が発展してきたのも、こういった先人たちの考えや哲学、

そして万人に対して手助けになるものであるという信念が後押ししてくれている気がします。

自分も微力ながら、その輪に加わってからだの悩みに苦しんでいる方々をサポートしていきたいと思います。

 

 

 

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