ロルフィングの答え〜サンディエゴ研修⑤〜

そういえばサンディエゴ研修のまとめをしていませんでした。

過去4回のブログはこちらから。

今回が最終話になります。

 

サンディエゴ研修①

エドの学校・IPSBにて〜サンディエゴ研修②〜

「治療」と「ワーク」の違い〜サンディエゴ研修③〜

エドのロルフィング〜サンディエゴ研修④〜

 

たった二週間でしたが、多くのことを学んだ気がしています。

エドが見ているロルフィングの捉え方は、ぼくがアメリカの学校で習ってきた

ロルフィングとは似ているようで、でも少し違っているところもありました。

もう少し言い方を変えれば、エドのアレンジが効いている感じがします。

学校で習ったベースに上乗せされている要素がある、という感じでしょうか。

いわゆる学校で習った「ロルフィング」は、ストラクチュラルインテグレーションと呼ばれ、

ストラクチュラル=構造、インテグレーション=統合という二つの言葉からできているもので、

創始者のアイダ・ロルフ博士の名前をとって呼称として「ロルフィング」として

皆さんに知れ渡っています。

 

人間のからだを構造物としてみなすことはイメージしにくいかもしれませんが、

からだには足があり、腰があり、胴体があって腕、頭部があります。

それらが順々に下から上に積み重なっているような構造物と考えていくと、

すべての部位がこのロゴの右図のように方向が合っていて、

かつ、まっすぐになっていると、それぞれの部位にかかる

重力のラインが一直線上になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうすると、筋肉や靭帯、骨などを使って、つまり筋力を使って

からだを支える必要がなく、重力がからだをまっすぐ下方向に流れ、

そして地面からはね返って上方向への力へと変換され、からだを支えてくれます。

逆にいうと、どこか一箇所や数カ所に負担が常にあるということは

常に筋力を使ってからだを支えているというわけです。

慢性的な腰痛、肩こり、膝痛などはこういったことが理由で起こることが多く、

いくら負担がかかっている箇所をほぐしたりマッサージしたとしても

常に筋力を使ってからだを支えるようにしてしまっている以上、

その症状は変わりません。

 

なので、ロルフィングではそういった症状を構造的な問題の延長と捉えて、

下から上に積み重なっているからだを垂直軸=ラインに沿って整え、

いかに重力とそのはね返りの力を利用できるか、ということを考えていきます。

そのためのアプローチとして筋膜に対する手技があり、

「統合」というプロセスがあります。

統合=まとめる、というふうにシンプルに翻訳すると、

まとめるということは、一箇所だけが動くだけではなく、

全身が一緒に連動して動くようにしていくことを意味します。

では、それをどのように生み出していけばいいのか?

それこそがロルフィングの学校で出された、

ロルフィング人生をかけて追求し続ける問いかけだったのではないでしょうか。

 

ロルフィングの学校は、そのゴール、つまりたどり着く頂上は教えてはくれましたが、

どのように登るか、の答えは教えてくれませんでした。

これが、ぼくはとても素晴らしいことだと今なら思います。

方法論や答えを教えるということは、同じような効果をもたらすことができる

専門家を増やすことができる一方で、その効果以上の効果が期待できないと

いうことと同義である気がしています。

日本の学校教育でよく言われることですが、全員を同じことができるようにする、

つまり画一的な教え方や答えを教えるカリキュラムがあることで

一芸に秀でた、ビルゲイツやスティーブジョブズ、ザッカーバーグのような

世界的な起業家が生まれない、ということと少し似ている感じがします。

アイダ・ロルフ博士は、こうなりなさい、こうしなさい、

という明確な答えを与えるのではなく、将来にある未知なる可能性を信じて、

ロルフィングを後の世代に残していったのではないでしょうか。

 

ロルフィングの学校では、ロルフィングをしていく上で

大事な5つの基本原則について習うのですが、

これはアイダロルフ博士自身は明確には提唱していなかったようです。

正確に言うと、ロルフ博士が教えている中でこの基本原則について

発言を繰り返し使っていたことで、第一世代の弟子たちが、

これはきっと大事な要素にちがいない、ということで

カリキュラムとして5つの原則をまとめたのだと思います。

つまり、アイダ博士はこの原則を大事には思ってはいたけど、

5原則としてまとめておらず、まとめたのは弟子たちなのです。

この一例のように、アイダ博士が望む望まずに関わらず、

ロルフィングは日々変化して成長していっているのです。

もしかしたら、アイダ博士はこうしてまとめられることを

実は望んでいなかったのかもしれません。

それは神のみぞ知る、ですが。

 

エドはアイダ博士に、

「あなたはロルフィングの教科書を書きなさい」

と言われた創世記の唯一のロルファーでした。

これ以外に教科書としてロルフィングのことを明文化している資料は

他にないので、それだけアイダ博士はエドのことを信頼していたのでしょう。

そのエドでさえも、最初にロルフィングを始めてから約30年後、

2000年代にようやく教科書が書けたのです。

ロルフィングのことは理解していたとしても、

書けるようになるまでそれだけの年数が掛かった、

と教科書に書いてありました。

 

そしてエドは、自分なりの答えを見つけ、

その鍵としてムーブメントがとても大事で、

エクスパンショナルバランスというコンセプトがからだの中にある、

という考えに至ったのだと思います。

ぼくはこうして、アイダロルフ博士からの問いかけに対するエドの答えを、

3回こうしてエドから習ってきたことで今回ようやく理解できたのだと思います。

 

ぼくがクライアントさんにできることは、

エドが信じた答えを基にからだの健康な状態を作っていくこと。

そして、同時に自分なりの答えを追い続けていくことなのだと思います。

人の考えを鵜呑みにするのではなく、それをまずは取り込んで

理解し、提供しながら自分なりに発展させていくこと、

これが人として、セラピストとしてとても大事なことなのだと思います。

 

エド自身も3年前に初めて会ったときと比べると変わっている、

進化している、と自分でも言っていたし、周りの人もそう言っていました。

ぼく自身も振り返ってみると、2年前はなんてひどいことをしていたんだろう、

と今更ながら反省することがたくさんありますが、

それはそれだけ自分が成長しているという証拠でもあります。

毎年毎年、過去を振り返ってみて、あぁ昔はあんなだったんだなぁ、

と常に思えるような日々を送っていく、

そんなことを改めて思わせてくれた今回のサンディエゴ滞在でした。

 

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