言葉にすること

言葉にする、話すということはとても素晴らしい人間の才能で、

自分自身の想いをしっかりと伝えるのがあまり得意でないと

自分は感じているので、講演会などで自分の想いを話している人、

居酒屋などで延々自分の感じるものを話せる人を見ると

とても憧れている自分がいます。

その一方で、言葉にするというプロセスについて

自分なりに考えていくといろいろな過程があるのかなと

感じることがあります。

 

赤ちゃんは生まれたてのときは何も話せず、

でも聞こえてると言います。

そして、思考はすでに始まっていますよね。

生まれてから母親、父親、周りの人たちが話しているのを

聞いていく中で耳から入ってくる情報と目の前に見えているものを

リンクさせて、「リンゴ」という赤い物体を「リンゴ」として

脳が認識して、納得させて経験として自分の引き出しを作る。

それに加えて「りんご」という日本語の音、3つの文字から

成り立つ言葉を「りんご」と理解していくわけです。

同じ「リンゴ」でも「apple」という音が周りにあったら

赤ちゃんは「リンゴ」を「りんご」ではなく「apple」と

認識することで脳を納得させ、知識を溜めていきます。

そして、言葉にして出すことで周りの人からの

同調を求め、自分の中にある理解を確実なものにしていくのです。

 

このプロセスは大人になっても行なわれていて、

例えば難しい小説で独特の表現が使われていて

意味のよく分からない場面に遭遇したときに起きてきます。

前後の文脈やその言葉の意味自体を捉え直して

初めてその言葉の意味を脳が納得して認識していくのです。

もっと別の言い方をすると、『分からない』という不安な状態から

脱却させるために『納得させる』という行為をすることで

脳に安心をもたらすのだと思います。

 

ロルフィングを受けている方々にも

似たようなことが起きていると日々感じます。

ロルフィングのセッションでは今まで体験したことのない

不思議な感覚を感じることが多いです。

今までは物質的な張りや痛み、ゆがみ、などといった

感覚がからだを取り巻く自分の語彙であったのに、

そのどれにも該当しないセンセーションが

からだの中に生まれるので、多くの人が

第一セッションで言葉を失います。笑

何とか自分なりに言葉を絞り出して、

今までの経験で近いものであろう表現を選んで声に出し、

僕の顔色を伺いながら(笑)

フィードバックをしてくれます。

 

僕個人としては、そうして言葉に出すことで

クライアントさんが納得してくれるのであれば

いろいろ発言してもらいたいと思う一方で、

無理矢理言葉にしなくてもいいのでは、とも思います。

おそらく今までに感じたことない感覚なので、

既存のボキャブラリーでは表現しがたいものだと思うんです。

なので、あえて言葉にしないことで自分のからだの中にある

ふわっとまとまらない、そのときは『納得』しないでいることで

生まれるからだの感覚や反応を楽しんでもらいたいと思います。

言葉に無理矢理落ち着かせることで

 

失ってしまう感覚の広がりを損なうよりは

しっかりと自分なりの語彙を育ててもらってほしいのです。

自分の語彙と感覚が追いついてきたら、

ますますからだの反応も変わってきますし。

 

言葉にすることをただ単語を並べるのではなく、

自分のプロセスを表現する方法としていきたいですね。

0 返信

返信を残す

ディスカッションに参加しますか?
どうぞご参加ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>