忘れてはいけないもの

早いもので、もう2年が経ちました。
2008年8月8日から2年。
僕が所属していた中京大学トレーナー部会で、
一つの出来事が起きた日。
それは、仲間を失った日。
尊い、後輩を失った日。
熱中症という、みんながよく耳にする、
夏によくニュースで聞くもの。
それによって彼は命を失ってしまいました。
当時、僕はその部会の代表をしていて、
最初に訃報を聞きました。
聞いたときは、力がなんか抜けてベッドに倒れ込んだのかな。
何も出来ない空虚の時間がしばらくありました。
そして、気がついたら涙が。
皆に連絡するときにも、涙を流していました。
電話なんて出来なかった。
携帯の画面に文字を打ち込むので精一杯でした。
その時には、自分達の責任とか、なんてことをしてしまったんだ、
とかいうそんな思いよりも、
ただただ悲しかった。本当に受け入れられなかった。
そんな中でもいち早く皆に伝えて動くことをしなければ
ならなかったのに、すぐには出来なかった。
こんなに、命を失うことが悲しいなんて思わなかった。
いくらか時間が経過して落ち着いた後、
ようやく動き出した僕。
そこから告別式まではほとんど記憶にありません。
みんなに連絡をどうとったのか、どういった心境で
お通夜、告別式を迎えたのか、全然覚えてない。
式でもいろんな方とお話ししましたが、
何か抜けている自分がいたことしか覚えていません。
ただただ、悲しかった。
彼は熱中症で倒れてから1ヶ月、入院していました。
まさか、そんなになるなんて思ってもなかったし、
熱中症ってしばらく寝てれば回復すると思っていた自分には
とても信じられないものでした。
倒れてから意識がない状態がずっと続き、
いつどうなるかわからない状態であるということだけは
知っていました。
皆も心配で気になる中、一進一退の状態であることで皆に言うこともままならないまま、
僕は日々何かにおびえて生活していたのだと思います。
その間に一度だけ、病院にいる彼に会うことが出来ました。
本当に一言だけしか話せませんでしたが、
会話できるまでに回復してくれたことを
僕はすごく喜びました。
お母さんも、来週には体育の授業に行かないとね!!
なんて言ってるんですよ~なんておっしゃって、
彼と一緒に笑っていました。
僕もそれを信じて、また遊びにくるね!っと言って
その日は別れました。
それから数日してまもなく、彼は旅立っていきました。
最後の力を振り絞って、何かを伝えようと
してくれたんだと思います。
僕は、未だにそれが何だかわかりません。
今この文章を書いているときも、
とにかく悲しいです。
2008年の夏はそれだけでなく、
彼が亡くなった日の1週間後に僕の従姉の
おねえちゃんも亡くなってしまいました。
42歳の若さで、癌と戦っていたのに
それもむなしくおねえちゃんも旅立っていきました。
なんでこんなに命に向き合わなければならないのか。
正直、この時期は自分の容量を超えたことが
連続して起きた夏だった。
僕の後輩達が熱中症の対策に関する記事を作りました。
是非みなさまご覧ください。
中京大学トレーナー部会 熱中症に注意しよう
これ以上、悲しい思いをする人を増やしたくありません。
上述のように、僕の仲間が、先輩方が、後輩が、
この出来事から学んだことを行動に移しています。
是非皆様にもその一端を担っていただきたいです。
熱中症は防げるものです。
僕は今、アメリカにいて熱中症のことを伝えようにも
難しい部分もあります。
でも、こうやってブログで発信して皆さんにこのことを知ってもらい、
少しでも悲しい思いをする方が減るのであれば僕も何か出来た気がします。
僕が関わる人はもちろん僕から伝えていきたいし、
こういった思いの伝達に皆様是非ご協力ください。
この出来事を経験した僕たちに出来ることは、
彼を決して忘れないこと。
それだけは、絶対にしていかなくてはいけない。
そして、彼の分までしっかり、精一杯生きること。
人生を全うすること。
毎年の夏、僕は涙すると思います。
でも、そうやって年に一度彼のことを
偲ぶこともこれからしていきたい。
多くのことを学ばせてくれた彼に対して、
そしてお母さんやご家族に笑顔でまた挨拶できるように
日々を精一杯生きていきたいと思います。
彼のご冥福を心からお祈り申し上げます。
2010年8月
伊藤彰典

0 返信

返信を残す

ディスカッションに参加しますか?
どうぞご参加ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>